就業規則の構成
A.見出しをつけ、条項号の3階層が分かりやすいと思います。
法律上の問題ではありませんが、従業員にとって分かりやすい就業規則とするためには、構成についても気にする必要があるでしょう。
まず、見出しはあった方が良いと思います。一条ずつ見出しがあれば、読みたい条文だけをピンポイントで探すことができます。例えば、「第2条(適用範囲)」のようにカッコ付きにすると見やすいでしょう。その際、見出しは条文番号の後ろに設けた方が良いと思います。労働基準法は、条文番号よりも先にカッコ付きの見出しが出てきます。縦書きなので構わないのかもしれませんが、条文番号は通し番号ですので、数字が最初にあった方が見やすいように思います。
次に、条文は「条・項・号」の3階層が分かりやすいと思います。労働基準法では、4階層になる場合には、「イ・ロ・ハ」を用いています。3階層までであれば、何とか読みこなせるとしても、4階層だと改行と文章量が多くなり読みにくくなるのではないでしょうか。4階層目を設けたくなった場合には、次の条文番号を採番した方が、従業員にとって分かりやすい就業規則になると思います。
また、一つの条文の中にたくさんの「項」を設けている例を見かけることがあります。一般的に「項」には見出しが付いていませんし、この場合にも文章量が多くなり読みにくくなるので、次の条文番号を採番した方が良いかもしれません。なお、条文の数が多くなった場合には、「章」や「節」を設けてもよいと思いますが、少ない条文数の場合には無理をして章立てにする必要はないでしょう。いずれにしても、 従業員にとって分かりやすいことが重要です。