労使協定・労働者代表

労使協定の効力と類型

手続きとルール

いろいろな労使協定

労働者代表と母集団


 

↓ 以下をご覧ください。

高年齢者法が改正されたことで、継続雇用対象者の選定基準を定めた労使協定はどうなるのでしょうか?

 

労使協定の基準によらず希望者全員を継続雇用するのが原則ですが、平成37年3月31日までは経過措置があり、それまでは年齢に応じて、労使協定による選定基準は有効となります。

 

 定年制度を持つ企業に対して、高年齢者法は3つ(@定年の引上、A継続雇用制度、B定年制の廃止)のうち、いずれかの措置義務を課しているわけですが、労使協定による基準を設定し、継続雇用制度を実施している企業が数多くあります。

 改正高年齢者法は、年金の支給開始年齢と接続するために、65歳までの継続雇用を目指し、希望者全員を対象とすることを前提としています。そのため、法改正により労使協定の基準による選定をできないようにしたわけです。ただし、大きな変化をもたらすことになりますので、経過措置として下表のスケジュールで段階的に労使協定の基準が制限されるよう配慮しています。

 例えば、改正高年齢者法の施行日である平成25年4月1日以降、すぐに60歳になる人は原則として希望者全員が継続雇用されますが、61歳以上の人に対しては、従来通り労使協定の基準が有効となり、選定することが可能になっています。

【経過措置】

平成25年4月1日  〜  平成28年3月31日 61歳以上に有効
平成28年4月1日  〜  平成30年3月31日 62歳以上に有効
平成31年4月1日  〜  平成34年3月31日 63歳以上に有効
平成34年4月1日  〜  平成37年3月31日 64歳以上に有効

 

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会社が合併したとき、労使協定は引き継がれるものですか?

 
事業場の同一性が認められれば、引き継がれると思われます。
 

 合併には、吸収合併と新設合併がありますが、どちらの場合であっても合併後の会社は、合併前の会社の権利義務関係を包括的に承継することになりますので、労働協約、就業規則および雇用契約は当然に引き継がれることになります。

 しかし、労使協定は事情が異なります。本来、労使協定は法律で禁じられていることを許される“免罰効果”を発揮するものであり、労使の権利義務を定めたものではないからです。例えば、36協定(時間外・休日労働に関する労使協定)は、労基法で定める法定労働時間を超えて労働させても罰則が適用されない効果を発揮するものです。これは、権利義務関係には含まれませんので、原則として合併後の会社には承継されないことになります。

 一方、合併とは異なるものの会社分割に関する指針(平成12年労働省告示第127号)には、賃金控除協定と36協定に関する次の記述があります。「これらの労使協定については、会社の分割の前後で事業場の同一性が認められる場合には、引き続き有効であると解され得る」とされていますので、会社分割後の事業場に場所的および人的な変動等がなければ、労使協定は承継されることになるでしょう。反対に、会社分割後の事業場に大きな変動があった場合には、改めて労使協定を締結する必要があります。これは、会社分割に関する指針ですが、合併の場合であっても同様に解することが可能だと思われます。

 

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労使協定には、いろいろあるようですが、どのようなものがあるのでしょうか?

 
労使協定は、様々な趣旨に基づき締結されることになりますが、まずは、労働基準法に登場する14の労使協定を把握する必要があると思われます。
 

 労働基準法の条文を読んでいると、次のフレーズが14箇所、登場することに気がつきます。

 『当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定』

 これが労働基準法でいう労使協定であり、労働組合または労働者の代表と会社が取り交わす合意文書ということになります。

 労使協定を労働基準法の条文番号順に記載すると、下記の通り全部で14存在していますが、法律は就業規則と同様に、労働者がいつでも閲覧できるような体制を取ることを会社に求めています(労基法106条第1項)。ただし、文書として配付することは義務付けられておらず、パソコンで自由に閲覧ができれば問題はありません。

【労働基準法に登場する14の労使協定】

@ 第18条 第2項 貯蓄金の管理に関する労使協定
A 第24条 第1項ただし書 賃金控除に関する労使協定
B 第32条の2 第1項 一箇月単位の変形労働時間制に関する労使協定
C 第32条の3   フレックスタイム制に関する労使協定
D 第32条の4 第1項 一年単位の変形労働時間制に関する労使協定
E 第32条の5 第1項 一週間単位の非定形的変形労働時間制に関する労使協定
F 第34条 第2項ただし書 一斉休憩の適用除外に関する労使協定
G 第36条 第1項 時間外及び休日労働に関する労使協定(36協定)
H 第37条 第3項 月60時間超に係る割増賃金を代替休暇とする労使協定
I 第38条の2 第2項 事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定
J 第38条の3 第1項 専門業務型 裁量労働制に関する労使協定
K 第39条 第4項 年次有給休暇の時間単位付与に関する労使協定
L 第39条 第6項 年次有給休暇の計画的付与に関する労使協定
M 第39条 第7項ただし書 年次有給休暇の賃金を標準報酬日額とする労使協定

 

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そもそも労使協定とは、何なのでしょうか

 
本来、労使協定は免罰効果を与えるためのもの、でした
 

 今となっては、育児介護休業法や高年齢者雇用安定法が成立し、そこに登場する労使協定は私法的効力を有するものとして機能していますが、本来、労使協定は法律で禁じられていることを許される免罰効果を与えるものでした。

 例えば、労基法第32条は労働時間を1日8時間、1週40時間と上限を定め、それを超えた場合には労基法の罰則が適用になります。しかし、36協定(時間外・休日労働に関する労使協定)の締結・届出により、その範囲内であれば労基法の罰則は適用されません。これは従業員に残業をさせても、その刑事責任が問われない効果を36協定が発揮しているわけです。なお、36協定はこの免罰効果を与えるだけですので、36協定を締結したからといって、直ちに残業をさせられるわけではありません。この場合、残業を命じることができる根拠は36協定から発生するわけではなく、労働契約の一部である就業規則等に規定されることで、初めて可能になります。

 一方、育児介護休業法にも労使協定は登場します。例えば、従業員が育児休業を申し出た場合でも入社1年未満の従業員であれば、労使協定に定めることによって適用を除外することが可能です。しかし、仮に労使協定がなかったとしても、元々、育児介護休業法には、このことに関する罰則がありませんので、免罰効果を発揮する余地がないのです。もちろん罰則がないからといって、法律を無視して良いことにはなりませんが、本来、免罰効果のために存在した労使協定が、少しずつ位置づけを変化させている代表例ということができます。

 

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賃金控除には労使協定が必要と聞きましたが、賃金の現物支給にも労使協定が必要なのでしょうか

 

労使協定で現物支給することはできません。労働協約が必要になります

 

 賃金の支払いには、 “賃金支払の5原則”と呼ばれるルールがあります(労基法第24条)

賃金支払の5原則

@    通貨で
A    直接
B    全額を
C    毎月1回以上
D    一定の期日を定め

 労基法第24条は条文の中で、労使協定を締結した場合には「賃金の一部を控除して支払うことができる」と定め、「B全額を」の例外として賃金控除を許しています。

 一方、「通貨以外のもので支払」うことにも条文は言及し、「@通貨で」の例外を定めていますが、その場合には「労働協約に別段の定めがある場合」と記述しています。つまり、労働協約は労働組合と締結するものですから、労働組合の存在しない企業では、賃金の現物支給をすることはできないことになります。

 

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労使協定には有効期間の定めが必要でしょうか

 
有効期間の定めが必要なものと、そうでないものがあります
 

 労使協定にもいろいろありますが、労働基準法に登場する全部で14の労使協定の内、有効期間の定めをしなければならないものは、下記の5つになります。 なお、労働協約として労使協定を締結する場合、労働協約は一定の要件で破棄が認められていますので有効期間を定めなくとも問題はありません。また、「一箇月単位の変形労働時間制に関する労使協定」は、もともと就業規則に定めることで導入できるため、労使協定を結ぶケースは少ないかもしれません。

 労使協定は労使で合意のうえ締結するものであり、有効期間をどのくらいの期間にするかも労使にまかされています。ですので、法律上の制限が明確にあるわけではありませんが、下記のように通達で目安が示されています。なお、時間外及び休日労働に関する協定(36協定)については、1年間で残業の限度時間を設定する必要があることから、1年以上の有効期間となるのが通常です。

 これらのことを勘案して労使で話し合えばよいのでしょうが、状況の変化に柔軟に対応していくため、有効期間を1年程度とするのが使いやすいかもしれません。

【有効期間の定めが必要な5つの労使協定】


内容
有効期間
@ 一箇月単位の変形労働時間制に関する労使協定 3年以内が望ましい
(平11.3.31 基発169号)
A 一年単位の変形労働時間制に関する労使協定 1年程度が望ましい
(平6.1.4 基発1号)
B 時間外及び休日労働に関する労使協定(36協定) 1年間が望ましい
(平11.3.31 基発169号)
C 事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定
一定の期間
(昭63.1.1基発1号)
D 専門業務型 裁量労働制に関する労使協定 3年以内が望ましい
(平15.10.22 基発1022001号)

 

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労使協定を締結したら、労働基準監督署へ届け出て保管すればよいのでしょうか

 
労使協定は、労働基準監督署へ届け出るものと出ないものがあります
 

 労使協定にもいろいろありますが、労働基準法に登場する全部で14の労使協定の場合、労働基準監督署へ届け出る必要のあるものは、下記の6つになります。

 なお、「一箇月単位の変形労働時間制に関する労使協定」を締結した場合には、労働基準監督署へ届け出る必要がありますが、もともと就業規則に定めることで導入できるため、実質的には労使協定を結ぶ可能性が低いことから、ここでは6つとカウントしています。

 余談になりますが、労働基準監督署へ届け出なければならない6つの労使協定を 「爺、一切、金貯まらず」(じじい いっさい かね たまらず)と、ゴロ合わせで覚えることができます。

【労働基準監督署に届出義務のある6つの労使協定】

@ 時- 時間外及び休日労働に関する労使協定(36協定)
A 事- 事業場外労働のみなし労働時間制に関する労使協定(法定労働時間超)
B 1- 1年単位の変形労働時間制に関する労使協定
C 1- 1週間単位の非定形的変形労働時間制に関する労使協定
D 裁- 裁量労働制に関する労使協定(専門業務型)
E 金- 貯蓄金の管理に関する労使協定

 

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当社は全国展開していますが、36協定を本社で一括届出することで、事務の軽減ができると聞きました。どうすればよいのでしょうか?

 
協定の内容が本社と同一であれば、一括して届け出ることができますが、実質的には、労働基準監督署内の回送を依頼する手続きですので、事務の軽減ができるかどうかは微妙だと思います。
 

 36協定の本社一括届の要件として、以下4つのことが求められます。

@

本社と一緒に提出する事業場に関する協定の内容が同一であること

(ただし、事業の種類、名称、所在地、労働者数はもちろん異なって構いません)

A 届け出る際に、本社を含む事業場の数の分だけ部数を提出すること
B 届け出る際に、一括届出する事業場一覧表を添付すること
C

事業場一覧表の余白等に以下のことを明示すること

(協定内容が同一であること、届出する事業場毎に過半数労働者を組織する労働組合であること)

 ここで気をつけなければならないのは、協定の当事者である労使が”同一”でなければならないので、会社全体を組織するような労働組合がない場合は、一括届出はできないことになります。また、そもそも事業場毎に労働者の過半数を組織している労働組合でなければ、36協定の締結をすることはできません。ですから、この制度を活用できる会社は限られてしまうのが実態でしょう。

 

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毎年、労使協定を締結することが煩雑なのですが、36協定に自動更新条項を設けられないでしょうか?

 
36協定に自動更新条項を設けることは可能ですが、事務の合理化にはあまり寄与しません。
 

 36協定は、「時間外労働協定について定期的に見直しを行う必要があると考えられることから、有効期間は1年間とすることが望ましい」(平11.3.31基発169号)とされ、1年に1度、所轄の労働基準監督署に提出しなければなりません。

 自動更新条項を設けた場合には、「更新したことを記した任意の書面」を提出することで、36協定届を提出しなくともよいことになっています。数は多くはないようですが、実際にこの書面を提出することで36協定届を提出していない企業もあるようです。

 ただし、この「任意の書面」には、労使双方の記名と捺印が必要になります。その結果、1年に1度、事業場毎に捺印をした書面を各所轄の労働基準監督署に提出することに変化はなく、事務の省力化の観点からは、あまり効果を期待できるものにはなりません。

 

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特別条項付きの36協定とは

 
36協定の限度時間を超えてしまう場合の特別措置です
 

三階建の36協定.png

 労働基準法第32条は、労働時間について1日8 時間、1週40時間と上限を定め、それを超えた場合には罰則が適用になります。ただし、36協定(時間外および休日労働に関する労使協定)を締結し届け出ると、協定の範囲内であれば罰則は適用されません。免罰効果と呼ばれるもので、36協定を結ぶ最大の理由といってよいでしょう。

 36協定は、3階建てのビルのようなものだと思います。左図をご覧ください。1階部分には「原則としての労働基準法」が存在し残業が禁止されている状態なので、1階の天井には残業「0時間」としてあります。2階部分には「例外としての36協定」が登場します。36協定には限度基準が定められており、1箇月では45時間までの残業が認められますので、2階の天井には残業「45時間」としてあります。通常は、ここで終了です。

 ただし、それではどうしても足りない非常事態に対応するのが、3階部分の「例外の例外としての特別条項」ということになります。特別条項に制限はありませんので、ここでは任意に3階の天井を残業「80時間」としました。労使が協定した特別条項の延長時間(ここでは80時間)を超えてしまうと違法状態になります。労使が合意すれば、何時間でも残業が認められますので、この青天井の状態が問題視されてきました。

 2019年4月施行の改正労働基準法は、この青天井に“フタ”をする制限を設けました。時間外労働について1年間で720時間、休日を含み1箇月で100時間未満かつ2箇月〜6箇月を平均して80時間以下としなければなりません。法改正によって、休日労働を含むという別枠の管理基準が設けられましたので、勤怠管理の重要性が一層高まったといえるでしょう。

 

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お昼の電話当番は、内勤の女性が交替制で担当しています。問題でしょうか?

 
一斉休憩の適用除外に関する労使協定が必要です
 

 労働基準法34条は、労働時間が6時間を超える場合には45分以上、8時間を超える場合には60分以上の休憩時間を“一斉に”与えることを定めています。ただし、運輸交通業など一部の事業については適用が除外されています(労基則31条)。以前は、労働基準監督署長の許可を受けることで、一斉休憩の適用除外が認められていましたが、法改正により許可制度が廃止され、現在では労使協定による適用除外が認められています。なお、法改正以前に適用除外に関する許可を取得している場合は、現在でも有効です。

 一斉休憩の適用除外に関する労使協定には、@対象となる従業員の範囲、A休憩の与え方、について定めることが必要です(労基則15条)。このような労使協定を結んだ場合には、ローテーションなどにより休憩を与えることが可能となります。ですので、適用を除外される事業でない場合、適法に労使協定を結んでいなければ、お昼休憩を一斉に与えなければなりません。

 一方、御社では内勤の“女性”がお昼当番を担当しているとのこと。合理的理由があれば別ですが、理由もなく女性にのみ担当させているのであれば、男女雇用機会均等法に抵触する可能性がありますので検討が必要でしょう

 

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フレックスタイム制の導入を予定していますが、どうすればよいのでしょうか?

 
就業規則に記載した上で、下記の項目について労使協定を締結してください。
 

 通常の労働時間管理ではなく、フレックスタイム制度による時間管理を実施するためには、まず、就業規則に記載し、下記の@〜Eの項目につき、労働者代表との書面による協定を結ばなければなりません(労基法32条の3、労規則12条の3)。

 また、フレックスタイム制度の大前提として、従業員自身が出社・退社時刻を決定することが必要となります。極まれに、従業員自身にその決定権がない状態で、制度の導入をしている企業がありますが、そのような制度はそもそもフレックスタイム制度とは異なるものです。

@ フレックスタイムにより労働させることができる労働者の範囲
A 清算期間(一箇月以内)
B 清算期間における総労働時間
C 標準となる1日の労働時間
D 設ける場合には、コアタイムの始業・終業時刻
E 設ける場合には、フレキシブルタイムの始業・終業時刻

 

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営業マンは時間管理ができないため、残業代の代わりに営業手当を支給しています。何か手続きが必要でしょうか?

 
まず、就業規則に記載し事業場外みなし労働に関する労使協定を締結の上、労働基準監督署に届け出てください。
就業規則5.png

→ 関連資料

 事業場外で勤務する場合、労働時間を把握することが困難で、通常所定労働時間を超えることが明らかなケースでは、労働者代表と「事業場外みなし労働に関する労使協定」を締結することで、事業場外の労働時間を一定の時間数と“みなし”、賃金を支給することが可能になります(労基法38条の2)。

 ただし、“みなし”ているのは、事業場外で勤務する時間ですので、オフィス内で勤務する時間がある場合には、オフィス内の勤務時間数をカウントし、事業場外で勤務すると“みなし”た時間数と合算しなければなりません(左図)。そのため、月額としての固定手当の支給は難しくなりますので気をつけなければなりません。

 

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裁量労働制の導入を検討しています。どのように手続きをしたらよいのでしょうか?

 
就業規則に裁量労働制がある旨を記載した上で、労使協定を締結し労働基準監督署に届け出てください。
 

 就業規則に記載し、労使協定で下記事項を締結した場合には、専門業務型の裁量労働制を導入することができ、実際に働いた労働時間ではなく、協定で“みなし”た時間を労働時間とすることができます(労働基準法38条の3)。

 その場合であっても、深夜割増賃金は必要となるため、22時以降の残業は届出制にするなどの対応が必要になるでしょう。そうでなければ、結局、裁量に任せるのではなく時間で量ることになってしまいます。 なお、協定で“みなす”時間は1日を単位としなければならないため、月額固定の「裁量労働手当」とするためには、月当たりの最大労働日数に合わせた支給額にしなければなりません。

@ 対象業務
A みなし労働時間
B 業務を遂行する手段および時間配分の決定等に関して、具体的な指示をしないこと
C 裁量労働制で働く社員の労働時間の把握方法および健康・福祉を確保するための具体的内容
D 裁量労働制で働く社員から苦情が出た場合の具体的対応方法
E 協定の有効期間
F 協定の有効期間中とその後3年間について、C、Dについて記録を保管すること
G 裁量労働制で働く社員に関して、時間外労働について就業規則に定めない場合は時間外労働のルール

 

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生命保険料を給与天引する場合、手続きが必要ですか

 
ず、「賃金控除に関する労使協定を締結」し、就業規則に記載しましょう
 

 賃金は、その全額を支払うことが必要であり、いわゆる“給与天引”をすることはできません。これは、労働基準法第24条に「賃金支払いの5原則」が定められているからです。具体的には、@通貨で、A直接、B全額を、C月1回以上、D定期的に、支払うことを使用者に求めています。ただし、法令の定めによる場合や労使協定を結んだ場合には、賃金の一部を控除して支払うことが可能となります。

 法令の定めによる場合とは、所得税や社会保険料について控除することを指しており、それ以外の生命保険料などを控除するためには、「賃金控除に関する労使協定」を締結しなければ労働基準法違反となります。この労使協定は、有効期間の定めや労働基準監督署への届け出も必要ありませんので簡単に作成することができるでしょう。しかし、労働基準監督署の臨検では、労使協定を締結せずに給与天引をしていることについて、是正勧告を受ける例が散見されますので注意が必要です。

 生命保険料以外にも、財形貯蓄、持株会の拠出金、銀行からの借入金の返済など、この労使協定を締結しなければならないものはたくさんありますので、その場合には必ず締結しましょう。また、就業規則に記載することも忘れてはなりません

 

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労働者代表が退職したのですが、新しく労使協定が必要になりますか

 
協定の成立当時に、事業場の過半数労働者を代表していれば問題ありません
 

 労使協定を締結する場合には、原則としてその都度選挙などの方法により、事業場の過半数を代表する労働者を選出しなければなりません。これは、企業単位ではなく事業場単位であり、パート労働者などの非正規労働者を含めた人数を合計した過半数を代表していることが要件となります。

 労使協定は成立から一定の期間存続することになりますので、時間の経過とともに労働者代表の退職や労働者の過半数を組織していた労働組合の過半数割れという状況も起こりえるでしょう。このような場合には、労働者の過半数を代表する状態ではありませんので、既に締結した労使協定の効力が心配になるところです。

 そもそも労働者の人数は、業績の影響によって変動するものですので、一旦成立した協定をやり直していたのでは、労使協定の安定性を損なうものになってしまいます。そのため、成立した当時の状況が重視され、協定の成立時に事業場の過半数労働者を代表していれば問題はありません。

 なお、労働基準法コンメンタール(厚生労働省労働基準局編)では、「協定当事者の要件として要求している労働者の過半数を代表するという要件は、協定の成立要件であるにとどまり、協定の存続要件ではないと解されよう」と記述されています

 

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就業規則の改定時、従業員の親睦団体の代表者から意見書を取得していますが、問題はあるでしょうか?

 
労働者代表の選出が適性でないと意見書として有効になりません。
 

 就業規則改定の意見書を提出するため、労働者代表の選挙等で選出されたのであれば、親睦団体の代表者であっても、労働者代表として扱われますが、親睦団体の代表者という資格のみでは、労働者代表にはなれません。就業規則改定の意見書および労使協定締結のための労働者代表は、目的を明らかにして選出するプロセスが重要なので注意が必要です。

 また、就業規則を変更する場合には、必ず労働者代表の意見を聴かなければなりませんが、会社と労働者代表が合意する必要はなく、労働者代表から“反対である”という意見を聴くことでも法律の要件を満たします。

 一方、就業規則変更の場合の意見聴取だけでなく、様々な労使協定を結ぶ場合に、労働者代表を選出しなければなりませんが、@管理監督者でないこと、A投票・挙手等の方法により適性に選出されたこと、が必要であり適性に選出されない場合は、その協定自体が無効となることがあるので注意が必要です(労基則6条の2第1項)。

 

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労使協定を締結するときに、本社にいる労働者代表に全事業場分のサインをお願いしています。何か問題はあるのでしょうか?

 
事業場毎に選挙などを実施して、適性に労働者代表を選出しなければなりません。
 

 労使協定は、事業場毎に締結しなければなりませんので、労働者代表の人数は、事業場の数だけ必要になります。また、投票による方法などにより、適切に労働者代表を選出していないと、労使協定の効力を否定されることもあり得ますので、注意が必要です。

 ただし、労働組合がある場合は、多少事情が異なります。会社と労働組合がユニオンショップ協定を結んでいる場合に多くみられるケースですが、結果として、全ての事業場毎に過半数の従業員が、この労働組合の組合員であれば、協定の締結者は同一の労働組合になるため、会社と労働者代表が1対1の関係になります。そうすると、本社にいる労働組合の委員長が全事業場分にサインをするケースがありえます。その場合であっても、事業場毎に締結しますので、協定書の枚数は事業場の数だけ必要になります。

 

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労働者代表の母集団の範囲は、どこまでですか?

 
社員だけでなく、パートタイマーを含む全ての労働者が母集団となります。
 

 労働基準法には、お決まりの文句として「当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定」というフレーズが登場します。これは、労使協定のことですね。労働組合がない場合には、事業場ごとに労働者の代表を選出することになりますが、「労働者の過半数を代表する者」の母集団の範囲が疑問になるかもしれません。

 この点について、厚生労働省の通達(昭46.1.18基収6206号)では36協定の労働者の範囲として、「法第9条の定義によるべきが妥当と考えられる」とされています。労働基準法第9条で「労働者」とは、事業に使用され賃金を支払われる全ての労働者を指しています。“全て”ですので、管理監督者、長期欠勤・出張・休職期間中の者を含めて母集団の範囲とされます。また、出向社員については、出向先にとっても当該事業場の労働者ですので、母集団の範囲に含まれることになるでしょう

 

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派遣労働者の36協定は、派遣元と派遣先、どちらが適用されますか?

 
派遣労働者は、派遣元の36協定が適用されます。
 

 派遣労働者を雇用しているのは派遣元事業主ですので、派遣元が労働基準法上の使用者となるのが原則です。しかし、実際に指揮命令しているのは派遣先事業主です。労働者派遣法は、労働基準法の適用の特例として、派遣先が使用者として責任を負う部分を規定し、派遣元と派遣先の分担を明らかにしています(派遣法第44条)。この中で、労働時間、休憩、休日については、派遣先が使用者としての責任を負いますが、36協定の締結・届出に関しては、派遣元が使用者としての責任を負うことになっています。個々の派遣労働者は、派遣先で時間外労働を行いますので、派遣元の36協定を適用するのは不思議な感じもします。

 この点について通達では、「なお、派遣中の労働者が異なる派遣先に派遣されているため意見交換の機会が少ない場合があるが、その場合には代表者選任のための投票に併せて時間外労働・休日労働の事由、限度等についての意見・希望等を提出させ、これを代表者が集約するなどにより派遣労働者の意思が反映されることが望ましいこと。」(昭61.6.6基発333号)とされています。

 以上のように、現行制度では派遣元の36協定が適用になりますので、御社が派遣先事業場なのであれば、派遣元に時間外労働の上限時間を確認し、違法な時間外労働にならないよう注意しなければなりません。

 

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労働協約と労使協定の署名欄は同じ人で良いのでしょうか

 
労働組合が事業所毎に従業員の過半数を組織化していれば、いずれも労働組合の署名で問題ありません
 

 労働協約と労使協定は様々な面で異なりますが、文書の署名欄にサインをする人については、その適用範囲という視点で捉えると分かりやすいと思います。

 ある企業にAとB、2つの労働組合がある場合、労働協約は締結した当事者に効力を発揮しますので、会社とA労働組合が締結した労働協約は、A労働組合の組合員には適用されますが、原則としてB労働組合の組合員には適用されません。一方、労使協定はその事業所の全ての従業員に適用されますので、従業員の過半数を代表するものが署名しなければなりません。

 労働組合が事業所毎(別々)に、従業員(有期雇用従業員を含む)の過半数を組合員として組織していれば、労働協約・労使協定いずれも労働組合が締結することに問題はないでしょう。しかし、事業所毎に従業員の過半数を組織していない労働組合は労使協定を締結することができませんので、従業員の過半数を代表する社員個人が署名することになります。労働組合の組織率が20%を下回る昨今では、パート従業員などが組合員として組織化されていないために、36協定(時間外・休日労働に関する協定)を締結することができず、団体交渉が難航するという例もありますので注意が必要です。

 

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