振休と代休の違い

Q.「振替休日」と「代休」は、どのように違うのでしょう

A.「振休は事前」、「代休は事後」と覚えると分かりやすいでしょう。

 例えば、法定休日である「日曜日」に出勤し、同じ週の「水曜日」にお休みをするケースで考えます。

●振替休日は、「日曜日」に出勤する時には既に休日が「水曜日」と特定されており、「休日労働する日」と「実際に休む休日」が事前に入れ替えられます。

●代休は、「日曜日」に出勤する時には別の休日を特定することができず、とりあえず出勤します。後日、「水曜日」が「実際に休む休日」として、事後に特定されることになります。

 どちらのケースも「日曜日」に出勤し「水曜日」に休んだ事実は同じです。しかし、振替休日の場合には原則として割増賃金が必要ないのに対して、代休であれば35%以上の割増賃金が必要になります。少し不思議に感じるかもしれませんね。振替休日の場合には、振り替えたことで休日労働ではなくなりましたが、代休の場合には「日曜日」に出勤したことで、いったん休日労働が確定し、後から別の休日があったとしても、既に成立した休日労働を無かったことにはできないからです。

 また、休日を振り替える場合、その週内であれば問題になりませんが、週をまたぐと割増賃金が必要になるケースがでてきます。例えば、1日の所定労働時間が8時間で週休2日制の会社の場合、休日を翌週に振り替えると振替元の週は32時間労働で、振替先の週は48時間労働となります。このケースでは、振替先の週における8時間分が週40時間を超えているために、25%以上の割増賃金が必要となりますので注意が必要です。