等級制度と役職制度の違い

Q.等級制度と役職制度は異なるものなのでしょうか?

A.等級制度は人事制度上のもの、役職制度は組織上のもの、ということができます。

 多くの企業では、人事制度の一部として等級制度が定められています。例えば、職能資格制度であれば、「一般従業員層である間は、能力の進捗を測るマイルストーン」、「管理職層の場合には、組織上のポスト不足に対応するモチベーションの確保策」として効果を発揮すると考えられます。

 一方、役職は組織上の要請で与えられるもの、つまり、部下を持つ管理職を念頭においたものであり、従業員区分である等級制度とは似て非なるもの、といって良いのではないでしょうか。要するに、組織図上に部署があるから、その部署を管理する従業員=管理職が必要になるわけです。

 等級制度は、役職だけでは処遇しきれない部分に対して、よりきめ細かな対応を可能とするものであり、一定規模の企業では欠くことのできない人事制度といえるでしょう。