規定と規程の違い
Q.給与規定の場合、「規定と規程」どちらが正しいのでしょうか?
A.正しくは、「給与規程」とするべきでしょう。
就業規則には、いろいろな規程が付属するのが一般的でしょう。平成10年の労働基準法改正までは一部の規則に制限されていましたが、現在では委任規定を設けなくとも自由に別規則化することができるようになりました。規程の名称はさまざまですが、“○○規定”という名称の“規程”を見かけることがあります。この規定と規程の違いについて疑問を持つ方も多いようです。
歴代の内閣法制局長官が執筆者として名を連ねる『法令用語辞典』*では、次のように書かれています。“規定”は、「1個の法令における個々の条項の定をいう」とされる一方、“規程” は、「一定の目的のために定められた一連の条項の総体を一団の定として呼ぶときに用いる」とされています。つまり、“規定”が指すのは細かな個別の条文であり、“規程”はより大きな条文がまとまったものを指しています。例えば、「第○条の規定」は個別の条文であり、「●●規程」は規則の名称として用いることになります。
法律で使用方法が強制されているものではありませんが、できればこの用法に従い根拠を明確にする方が使いやすいのではないでしょうか。
*佐藤達夫編[1950]『法令用語辞典』学陽書房(初版)