就業規則と労使協定の周知義務

Q.就業規則は、個別に配布する必要がありますか?

A.労使協定を含め、いつでも従業員が閲覧できる方法を取る必要があります

 労働基準法第106条第1項には、「就業規則、〜協定〜を、常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。」と書かれています。

 従業員に周知ができていれば問題はないので、就業規則を印刷して個別に配布する義務を会社が負っているわけではありません。最近は、IT環境が整備され職場にパソコンが配備されているのが通常でしょう。社内のイントラネットの掲示板等に就業規則を掲載し、いつでも従業員が閲覧できる体制を取っているのであれば、この義務を果たしたことになります。

 ここで注意すべきは、就業規則だけではなく労使協定が含まれている点です。36協定をはじめとする各種労使協定は、就業規則と同様に周知する義務が会社にあります。イントラネット等に就業規則を掲載していても、労使協定を掲載していないことは、法律の義務を履行できていないことになります。労使協定の周知義務違反により、労働基準監督署の是正勧告を受けるケースもありますので注意が必要でしょう