36協定の自動更新

Q.36協定に自動更新条項を設けることは可能でしょうか?

A.可能ですが、事務の省力化には寄与しないでしょう。

 36協定には、原則として有効期間を定めなければなりません。通達では、「時間外労働協定について定期的に見直しを行う必要があると考えられることから、有効期間は1年間とすることが望ましい」とされています(平11.3.31基発169号)。つまり、新しい36協定届を年に1度は労働基準監督署に提出することになります。これを面倒だと感じる人事担当者は、36協定の中に自動更新条項を設けることで事務の省力化を図りたいと考えるかもしれません。

 36協定に自動更新条項を設けることは可能です。ただし、何もしないで自動的に更新されるわけではありません。通達では、「協定の有効期間について自動更新の定めがなされている場合においては、(中略)当該協定の更新について労使両当事者のいずれからも異議の申出がなかった事実を証する書面を届け出ることをもって足りる」とされています(昭29.6.29 基発355号)。この書面について労働基準監督署は「特に書式はないので任意の書面を提出してください」と言うわけです。

 その結果、1年に1度、この任意の書面を所轄の労働基準監督署に提出することになります。そうであれば通常通りのフローで対応した方がよいかもしれません。事務の省力化の観点からは、大きな効果を期待できるものにはならないでしょう。