裁量労働制の労使協定

Q.専門業務型 裁量労働制の労使協定の変更について教えてください。

A.本人同意の取得など、労使協定に追加する必要があります。

 裁量労働制には、専門業務型と企画業務型の2種類があります。就労条件総合調査(令和4年)によると、専門業務型で2.2%、企画業務型で0.6%の導入割合になっています。導入するための要件が厳しいことから、どちらも低い導入率になっているようです。導入するためには、専門業務型は労使協定、企画業務型は労使委員会の決議が必要です。労働基準法施行規則が改正(2024年4月1日施行)され、専門業務型裁量労働制の労使協定の必要記載事項が追加されたので注意が必要です。

 労使協定に追加しなければならない項目は、「制度の適用に当たって労働者本人の同意を得ること」、「制度の適用に労働者が同意をしなかった場合に不利益な取扱いをしないこと」、「制度の適用に関する同意の撤回の手続」の3つです。本人同意の取得などは、既に企画業務型の場合には義務付けられていましたが、改めて専門業務型にも設定されたものです。なお、制度の運用状況に関する記録の保存について労使協定に記載する必要がありますが、「同意」が追加項目になったことで「同意及び同意の撤回」の記録の保存についても同じく記載することが必要です。

 今回の追加項目は、改正前から制度を導入していた企業にも適用されるので、継続して導入する事業場では改めて締結した労使協定について、2024年3月までに労働基準監督署へ届出する必要があります