出向者の懲戒処分

Q.当社から子会社へ出向している社員が、金品を横領したのですが、子会社側で懲戒処分をするのでしょうか?

A.軽い懲戒処分であれば出向先企業で、懲戒解雇は出向元企業で実施することになります。

 出向は、出向元との雇用関係を維持しながら、出向先の指揮命令下に入ることになるので、基本的な従業員の地位に関するものについては、出向元の就業規則が適用され、労務の提供に関する事項については、指揮監督権を有する出向先の就業規則が適用されることになります。つまり、解雇、退職などの従業員の身分に関することは、出向元の就業規則が適用されますが、労働時間や休日休暇に関すること、出張や仕事の遂行、服務規律事項、安全衛生などについては、出向先の就業規則が適用されることになります。

 今回のケースが、始末書の提出や戒告処分などの比較的軽い懲戒処分であれば、出向先で実施することになりますが、懲戒解雇のように従業員の身分に関わるようなものについては、出向先で実施することはできませんので、出向を解除した上で出向元企業が対応することになります。