休職期間満了による解雇と自動退職

Q.傷病休職の期間満了で復職できない場合、解雇することになりますか?

A.就業規則に定めがあれば、自動退職として問題ないでしょう

 休職は、労働基準法等に定めのあるものではありません。会社ごとの取り決め、つまり就業規則に従うことになります。そのため、休職の要件や休職期間の長さ等については会社によって千差万別です。

 私傷病休職は、従業員の私傷病のために長期にわたり労務提供不能の状態になるので、本来は普通解雇の対象になります。しかし、いきなり解雇することはあまりに酷であるため、猶予期間として位置づけられるのが休職制度といってよいでしょう。そして、休職期間が満了するまでに復職することができなければ、改めて解雇することになります。

 一方、退職事由に「休職期間が満了するまでに復職できないとき」と書かれている就業規則をよくみかけます。この記述に従えば、自動退職扱いとなりますが、この規定は有効なのでしょうか?この点につき、労働基準法コンメンタール(厚生労働省労働基準局編)では、「当然契約が終了するという定めが契約の当初よりなされているのであるから、一般には、定年制の場合と同様に契約の自動的終了事由が定められたものと解し、休職期間満了による契約の終了は解雇ではないとみるべきではなかろうか」と記載され、事前に就業規則に定められているのであれば、自動退職となることを肯定しています。

 以上のように、私傷病休職の期間満了により退社する場合には、解雇と自動退職の2通りがあり得ますので、就業規則の“規定ぶり”について注意をする必要があるでしょう