役職定年制のメリットとデメリット

Q.役職定年制のメリットとデメリットを教えてください。

A.メリット=人事の活性化、デメリット=年配者のモラールダウン、といったところでしょうか。

 役職定年制は、団塊の世代を中心とした社員構成の高齢化に伴うポスト不足への対応策として、90年代に脚光を浴びた人事制度です。(財)労務行政研究所が2010年1月に実施した「人事労務諸制度実施状況調査」で、役職定年制の実施率は28.1%であり減少傾向が続いています。年齢ではなく成果による処遇がクローズアップされた時代を経た現在では、その重要性は薄くなってきているように感じます。

 メリットとしては①人事の停滞解消、②人事の若返り・抜擢、③人件費の有効活用が挙げられますが、デメリットとして、①役職定年に近い役職者のモラールダウンから組織全体の生産性が低下する危険性、②特定人物の例外による制度の形骸化、③役職定年者の再配置および業務設定の困難さ、④役職定年に近い上司の命令に従わない部下の可能性が挙げられ、これから導入するには、弊害が目につく制度になっているような気がします。