コンピテンシー評価の作成手法

Q.コンピテンシー評価の項目は、どのように作るものなのでしょうか?

A.一般的には、ハイパフォーマーのコンピテンシーを抽出して評価項目にする。 といいますが・・・。

 コンピテンシーという言葉と一緒によく出てくる言葉に“ハイパフォーマー”がありますが、ハイパフォーマー=成績優秀者ということでよいのではないでしょうか。以下、コンピテンシーの評価項目の作成手順を示しますが、これは最大公約数的なものといってよいでしょう。

社内でハイパフォーマーと言われる複数の従業員にヒアリングをして、その行動パターンを抽出
ハイパフォーマーの行動パターンを集約・整理し、評価項目のベースとなるコンピテンシー・ディクショナリーを作成
コンピテンシー・ディクショナリーから、該当する職種にフィットするコンピテンシーを選択し、職種別に評価シートを作成

 このコンピテンシー(評価項目)の達成を目指すことで、標準的な従業員でも成果が出やすくなるわけです。

 本当にそうなのでしょうか?ハイパフォーマーのマネをすれば、業績が出やすくなるのでしょうか?

 私は思います。AさんにはAさんなりの、BさんにはBさんなりの業績を導き出す手法があるのだと。優秀者の行動パターンを参考にすることまで否定はしませんが、過信は禁物です。ですから、ハイパフォーマーの行動パターンというよりは、その仕事なりの“あるべき行動様式”を社内で議論して、コンピテンシー項目を作成することの方が重要だと思うのですが、いかがでしょうか。

 その場合には、考えられる行動パターンから仮のコンピテンシー項目を作成して、社内でアンケートを実施します。その結果から得られたコンピテンシー・ディクショナリーを原案にすれば、議論が活発になりやすく納得感のある評価項目の作成につながると思いませんか?

 完璧な評価制度が存在しないことは誰でも知っているはずですが、“コンピテンシー”というカタカナが万能なものだと過信することのないよう注意が必要だと思います。