評価を逆算する上司への対応
A.精緻な積み上げ評価には限界がありますので、より妥当性の高い評価項目にするため、定期的なヒアリングをしたらいかがでしょうか。
評価項目毎のポイントを合計し、評価アルファベットに当てはめていくというやり方は非常にオーソドックスな手法だと思います。しかし、評価者によっては、御社のように最終的なアルファベットを先に決めてしまうケースもあるでしょう。では、なぜ、そのような評価手法を取るのか、それを考える必要があると思います。一言でいえば、その評価者にしてみれば、評価項目に対する信頼感が薄いからではないでしょうか。
もちろん、全ての評価者が納得する評価項目など存在しないでしょうが、少しでも納得感を高めるためには、評価者に対して定期的にヒアリングを実施し、制度と評価者の間にあるギャップを埋める努力が必要だと思います。
また、点数から精緻に評価を積み上げれば、精緻な評価結果が得られる、というのは正しいようで森に迷い込んでいる可能性はないでしょうか。評価を精緻にすればするほど内容は細かくなり、だんだん何を評価しているのか分からなくなるような気がします。
少し古いデータではありますが、1998年に日本労働研究機構が実施した調査によれば、「まず全体の評価を決めてからそれに合わせて項目ごとの評価を決める」と回答した管理職が約3割いたそうです。これは御社だけの問題ではなく、評価にまつわる永遠のテーマなのかもしれません。