評価の段階数

Q.評価制度では、何段階評価がよいのでしょうか?

A.決めごとの問題ですが、「標準」レベルを設定すると運用しやすいでしょう

 評価の段階数に制限はありません。会社が自由に意思決定できるものです。

 そうは言いながら、評価の段階数で一般的に多いものは、5段階や7段階の奇数の段階数だと思います。会社によっては4段階や6段階のような偶数の段階数もあるでしょう。当たり前のことですが、偶数の段階数を設けた場合、真ん中がなくなります。中心化傾向を避けメリハリを効かせるために、意識的に偶数の段階数を設けるわけです。偶数の段階数は、プラスなのかマイナスなのかを明確にできるメリットがありますが、標準や平均的なレベルを設定することが難しくなります。奇数の段階数は、真ん中のレベルを標準や平均的なレベルとして中央を設けることで、「その上」と「その下」という位置関係が明確になることから使いやすいと思います。評価制度を運用するのは現場の管理職ですので、管理職が運用しやすい段階数にすることが重要でしょう。

 一方、3段階評価や9段階評価も考えられます。しかし、3段階評価では大雑把になりやすく、9段階評価だと段階数が多すぎて差が分からなくなってしまいます。ちょうど使いやすいものが5段階や7段階評価ということなのでしょう。

 業績のような定量的評価は、数値を伴いやすくある程度明確になりやすいので7段階評価、能力評価やコンピテンシー評価などの定性的評価は、基準がファジーになりやすく格差が明確になりにくいので5段階評価が適する傾向があるのだと思います。評価の中央値を標準評価として位置付け、標準からプラス・マイナス2〜3段階の5段階または7段階評価とするのが、オーソドックスな評価の段階数ではないでしょうか