女性のM字カーブとは

Q.女性のM字カーブとは何ですか

A.女性の年代別就労割合(労働力率)を表す曲線で、日本の特色と言われてきました。

 総務省が実施する「労働力調査」では、労働力人口(就業者+完全失業者)を調べています。15歳以上の人口に占める労働力人口の割合は「労働力率」と呼ばれます。この労働力率(%)を縦軸にとり、横軸に年齢(5歳刻み)をとると、年齢階級別労働力率のグラフが出来上がります。

 男性について、この折線グラフを作成するとアルファベットの「U」を逆さまにしたような形になります。このグラフの形は、先進国共通のものです。成人男性が働くのは、当たり前ということなのでしょう。一方、女性について、この折線グラフを作成するとアルファベットの「M」のような形になります。これが、M字カーブです。結婚・出産期に当たる時期に低下し、育児が落ち着いた時期に再び上昇する傾向です。これは、日本の特色と呼ばれており、先進国には見られない現象です。他国では、韓国にもM字カーブの傾向が見られます。

 M字カーブは、日本の特色と言われ続けてきましたが、近年、M字の谷底が上昇し男性のような「逆U字型」に近づく傾向が見られます。この要因として、配偶者を有する女性の労働力率の上昇が指摘されています。いわば、結婚し子供ができても働き続ける女性の姿がイメージされるわけです。1991年に育児休業法が成立し、女性にとっても働きやすい社会の実現に近づいたとみることも可能です。女性活躍推進法も成立しており、今後、人口減少局面が進む日本において、好ましい傾向ということができるでしょう