賃金水準の確認方法

Q.コーヒーの商社です。自社の賃金水準をチェックする良い方法は?

A.賃金構造基本統計調査を用いるのがよいでしょう。

 

自社の賃金水準がどのようなレベルにあるのか、人事担当者であれば当然気になるでしょう。いろいろなチェック方法があるでしょうが、やはり賃金構造基本統計調査を用いることが王道といえます。
 賃金構造基本統計調査は、日本政府が政策決定のために指定する基幹統計の一つです。基幹統計は、あまたある統計の中で53(令和元年5月24日現在)しか存在しない選び抜かれた統計なのです。統計としては、最高レベルのものであり安心して使用できます。また、賃金構造基本統計調査は、業界別の平均値だけでなく、性別、学歴別、年齢階級別など、個人の属性別のデータを詳細に確認することができます。
 この統計を用いる際には、まず御社の属する業界が「日本標準産業分類」の中で、どのように分類されているかを確認しなければなりません。コーヒーの商社であれば、大分類Ⅰ(卸売業・小売業)、中分類52(飲食料品卸売業)、小分類522(食料・飲料卸売業)、その中の5226(茶類卸売業)と位置づけられるでしょう。本来であれば、5226(茶類卸売業)の賃金データを使用したいところですが、集計単位として公表されていません。実際に使用するのは、中分類または大分類ということになるでしょう。
 全ての統計に共通していえることですが、統計で分かるのはある部分であり全てが分かるわけではありません。そのため、正解として捉えるのではなく、参考データとして用いるスタンスが必要だと思われます。