ジョブ型と定期昇給

Q.ジョブ型の人事制度にすると定期昇給はどうなりますか?

A.仕事で賃金が決まるのであれば、定期昇給はなくなるでしょう。

 「ジョブ型人事制度は、導入した会社によって様々な形態があると思いますが、「ジョブ=仕事」で賃金が決まるのであれば、いわゆる職務給と同義になるはずです。職務給は、定期昇給とは馴染まないタイプの賃金類型といってよいでしょう。仕事で賃金が決まるはずなのに、同じ仕事をしていながら毎年、賃金が上昇(定期昇給)することは矛盾するからです。一方、ベースアップは賃金表の水準を上昇させることですので、職務給や職能給を問わず実施することが可能です。

 賃金には幅のあるものとないものがあり、前者を「レンジレート」、後者を「シングルレート」と呼びます。職務給は、仕事と賃金が「1対1」で決まるので「シングルレート」になるのが基本です。つまり、昇給しないのが基本形なのです。

 困難度等から仕事を分類し格付ける「ジョブグレード(職務等級)」を用いる人事制度があります。一般的には、「レンジのある職務給」としているケースが多いのではないでしょうか。この場合には、同じ仕事をしていても、グレード内で賃金が変動すると思います。これは、定期昇給といえるのかもしれません。しかし、見方を変えれば仕事で賃金を変動させるのではなく、その他の要素で変動しているわけです。

 本来の「ジョブ型」人事制度であれば、定期昇給はないことが前提だと思いますが、実際には定期昇給が存在するケースが多いのだろうと思います。人事制度の名称を「ジョブ型」とするのは会社の自由ですが、「レンジのある職務給」として機能する制度なのであれば、実質的には職能資格制度とほとんど変わらいないものと考えられます