省令、告示、通達の違い

Q.省令、告示、通達はどのように違うのでしょうか?

A.省令=法令、告示=周知行為、通達=行政の運用指針です。

 労働基準法は、人事担当者にとって大切な法律です。最初に学ぶ法律と言って良いかもしれません。しかし、法律だけでは情報が足らないことがよくあります。そうすると、次に確認するのが労働基準法の「施行規則」で、その次に厚生労働省の「通達」を確認することが基本でしょう。つまり、階層が存在します。

 例えば、労働基準法が改正される場合は国会で審議され、「法律」として制定されます。次に、その法律を使えるようにするため、内閣が「政令」で施行期日を定めます。そして、法律だけでは足りない詳細な部分について、厚生労働大臣は労働基準法施行規則という「省令」を制定します。加えて、法律がスタートする前には、改正法を解釈するための施行通達も出されます。この法律、政令、省令までが、法令という範囲に入ります。

 一方、「告示」と呼ばれるものがあります。告示の性質は、はっきりしない部分がありますが、立法の性質を持つものや、下級機関への通知行為の性質を持つものなど多様です。また、私たちに馴染みのある「通達」は、行政機関の長が下級機関に対して、法令の解釈や運用方針を伝達するものであり、法令のように直接規制する力を持っているわけではありません。ただし、行政指導では解釈の根拠として用いられますので、結果として会社は間接的に規制されることになるでしょう。