労働局のあっせんへの参加

Q.労働局の「あっせん」は、参加した方が良いのでしょうか?

A.その後の展開を考えれば、是非、参加した方が良いと思います。

 労働局のあっせんは、「都道府県労働局に設置されている紛争調整委員会のあっせん委員(弁護士や大学教授など労働問題の専門家)が紛争当事者の間に入って話し合いを促進することにより、紛争の解決を図る制度」です。主な申請内容別の件数をみると、「いじめ・嫌がらせ」が29.2%で最も多く、次いで「解雇」が18.5%になっています(いずれも令和3年度)。

 あっせんは、従業員が申請することが多く、会社はそれを受ける立場になります。いわば、“駆け込み寺”として活用されているわけです。紛争当事者の出席は強制されず、解決の見込みがない場合には、あっせんが打ち切られることもあります。あっせんが成立した場合には、民法上の和解契約として扱われることになります。

 あっせんは、強制力を持たないため会社が参加するかどうかは任意の判断ということになります。しかし、参加しなかった場合には、裁判や労働審判に発展する可能性も出てきます。そうなれば、会社にとっても痛手です。一方、紛争調整委員会によるあっせんであれば、当事者双方にとって手数料は無料であり、解決金額も裁判に比べるとはるかに低額で終了するケースが多いようです。故に、あっせんに参加するチャンスがあるのであれば、リスクを低減させるためにも、是非、参加された方がよいと思います。