臨検で準備する書類

Q.労働基準監督署の臨検では、どのような書類を揃えることになりますか?

A.過去6箇月程度の出勤簿や賃金台帳等が中心になるでしょう。

 労働基準監督署の臨検(立入調査)では、下記のように様々な書類を準備するように言われます。特に留意すべきは、労働時間と賃金に関するものと言ってよいでしょう。例えば、長時間労働や未払賃金の有無は、一つのチェックポイントです。実際に、出勤簿と賃金台帳が一致しているかについて、電卓を手にしながらサンプルチェックをする労働基準監督官が多いと思います。

 長時間労働については、単月100時間以上や平均月80時間を超えていれば、違法ですので是正勧告を受けることになります。そして、時間外労働について月45時間を超えている従業員がいれば、違法ではなくとも行政指導されると思われます。月45時間を超えれば36協定の特別条項を使用することになりますが、この使用の有無が一つのポイントと言えるでしょう。

 また、医師が同席した上で衛生委員会が月1回きちんと実施され、議事録が保管されていることも重要です。長時間労働に該当する従業員がいれば、人数や状況などについて衛生委員会で報告され審議しているかなども確認されることになるでしょう。臨検は、予告なしに実施されることもありますが、事前に依頼状が届くこともあります。依頼状が届いた場合には、時間的余裕も生まれますので適正な書類を準備したいものです。

(臨検で要求される書類の例)

 ①労働者名簿

 ②労働条件通知書

 ③就業規則(含む別規程)

 ④労使協定(36協定など各種協定)

 ⑤タイムカードや出勤簿(過去6箇月分)

 ⑥残業管理簿(残業指示書・承認書等)(過去6箇月分)

 ⑦賃金台帳(過去6箇月分)

 ⑧年次有給休暇管理簿

 ⑨安全衛生管理に関する書類(含む組織体制)

 ⑩定期健康診断書