給与明細と賃金台帳の違い

Q.給与明細は、賃金台帳を兼ねると考えても良いですか?

A.給与明細を賃金台帳とするためには、法定8項目が必要です。

 賃金台帳は、法定3帳簿とよばれる書類の中でも特に重要なものです。例えば、労働基準監督署の臨検があった際には、必ずといってよいほどその提示を求められます。その時に、従業員へ配布している「給与明細」を提示して是正勧告を受ける会社が散見されます。一般に、「給与明細」と呼ばれているものが法定の要件を満たしていないことから、「賃金台帳」としての不備を指摘されるわけです。

 会社は、労働基準法108条により事業場ごとに「賃金台帳」を調製しなければなりません。そして、法定8項目を記載している必要があります(労基則54条第1項)。従業員にとって給与明細は、「銀行振込額を確認するもの」という位置付けが強いでしょうから、「基本給や諸手当等の支給金額および控除金額」の記載漏れはあり得ないでしょう。そして、「氏名、性別、それぞれの残業時間数」は当然に記載されていると思います。しかし、「賃金計算期間、労働日数、労働時間数」などが記載されていないケースが多々あり、その点について指摘されることがあります。

 これらの記載項目を修正するとなると給与計算システムの確認が必要になります。そもそも入力欄がなかったり、給与明細に余白がなく記載するスペースがなかったりすれば、システム改修が必要になるので時間がかかります。是正勧告を受けた場合には、タイムリーに対応できないことも考えられるので、事前にチェックしておきたいポイントでしょう