賃金台帳の保管義務

Q.賃金台帳は、本社以外の営業所でも保管しなければなりませんか?

A.事業場ごとに調整し、3年間保存しなければなりません。

 労働基準法108条(賃金台帳)には、「使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調整し〜」と書かれていますので、事業場ごとに作成・保管しなければならないことは明らかです。また、同109条(記録の保存)には、「使用者は、〜重要な書類を三年間保存しなければならない。」と書かれています。

 しかし、効率的な事務処理や保管のセキュリティ等を考えると、全ての支店や小さな営業所で作成・保管することは、コスト高になってしまう恐れもあるでしょう。このような場合には、ITの活用が頼りになるかもしれません。例えば、イントラネットで本社と事業場を結び、IDやパスワードなどでセキュリティを確保しながら事業場のパソコンで閲覧・印刷ができれば、法律上の義務を果たせるものと思われます。

 この件につき、厚生労働省労働基準局が編纂している「労働基準法コンメンタール」では、「労働基準監督官の臨検時等、保存文書の閲覧、提出等が必要とされる場合に、直ちに必要事項が明らかにされ、かつ、写しを提出し得るシステムとなっている〜ときは、本条違反とはならないと解される。」とされており、記録の保存についてパソコン等の活用も想定されています