人材を活かす企業  「人材」と「利益」の方程式

 フェファー先生、“なるほど”です。

 「市場から買い入れたもので競争力の維持や大きな成功を実現できない。自社が買えるものは、他社も買えるからである。」 つまり、人材について言えば、人材育成なくして企業は差別化できないし、競争力は伸びないのです。この部分だけでも人材育成の必要性や重要性を痛感させられます。また、賃金制度のあり方を考える場合にも、大変参考になる次の記述が、この書籍の171ページにあります。

 ①賃金は、多くの経営者が思うほど重要ではなく、労働コストを削減しても競争力の獲得にはつながらない

 ②業績給や出来高給は人々の支持が高くても、実際は問題が多く、調査結果によると、マイナスに作用することが多い

 ③給与の査定制度を導入すれば、生産性の問題がすべて解決すると信じるのは、破滅への道である

 アメリカの学者にこのように言われると、日本の成果主義とは何だったのだろうかと改めて思います。これが本当かどうかは、是非、お読みいただき真偽のほどをお確かめください。

 人により考え方は異なっても、参考にはなるはずです。

著    者:ジェフリー・フェファー 著/守島基博 監修/佐藤洋一 訳

出 版 社:翔泳社

発 売 日:2010年10月

カテゴリー:経営書(人材活用)