現代雇用論

 “メンバーシップ型” 雇用契約のルーツが、ここにあります。

 日本型雇用システムの本質は、“職務の限定のない企業のメンバーになるための雇用契約”にあると解説する“hamachan先生”こと濱口桂一郎先生が、“限定正社員”などの議論において注目の的になっています。濱口先生は “メンバーシップ型” と “ジョブ型” という言葉を用いて日本型雇用システムを分かりやすく解説してくれますが、その考え方自体はこの書籍の中にあり、自分のオリジナルではないと公言されています。

 タイトルである「現代雇用論」は、30年以上前の“現代”ですが、「労働力人口の高齢化」や「第3次産業の拡大による非正規雇用」にフォーカスしており、30年後の未来人である私たちから見れば、ある意味、予言書を読んでいるようなものかもしれません。

 今後、展開されるであろう “限定正社員” を含めた社員区分を考えていかなければならない人事担当者にとっては、足元を固めてくれる1冊と言えそうです。

著    者:田中 博秀

出 版 社:日本労働協会

発 売 日:1980年6月

カテゴリー:学術書(労働経済学)