仕事と組織の寓話集 〜フクロウの智恵
まず、寓話を通して人事を語ること自体が、かなり変わっていると言えるでしょう。そして、この書籍からにじみ出る博識ぶりに驚かされるのは筆者だけではないはずです。この中には、「毛虫、カエル、フクロウ」などの動物や「シーザー、ベートーベン、アガメムノン、首狩り族」まで登場します。皮肉たっぷりに書いてあるので、読み終えた後、“ニヤッ”とすることになるでしょう。本当のことがたくさん書いてあるからかもしれません。
「口でも稼げる学者は少ないのです。」
冗談も入っているとは思いますが、労働経済学の重鎮である小池和男先生が、著者である川喜多先生を評して、かつて、そうおっしゃったのを覚えています。その軽快な語り口が、“そのまま本になったような感じ”の書籍です。不真面目なようで、そうではない。学術書でも実務書でもない。川喜多先生だからこそ書ける不思議な世界が、ここにあります。
変わった本ではありますが、人事担当者にとって“そうかもしれない”と納得させられる書籍になる可能性は高いと思います。
著 者:川喜多 喬
出 版 社:キューズ新翠舎出版
発 売 日:2013年10月
カテゴリー:分かりません