有期雇用法制 ベーシックス

 有期雇用について勉強したい人事担当者にお薦めです。

 改正労働契約法が施行され有期雇用法制が注目されている中、“期間の定めのある従業員”の労務管理は重要なテーマになっています。この書籍は、有期雇用法制に焦点を絞り、労働基準法14条(契約期間等)、労働契約法17条(契約期間中の解雇等)、18条(有期労働契約の期間の定めのない労働契約への転換)、19条(有期労働契約の更新等)、20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)、について逐条解説しています。

 労働法に関する書籍には、基本事項を“広く浅く”解説しているものがたくさんありますが、それだけでは満足できない人事担当者も多いのではないでしょうか。その点では労働法の研究者が改正労働契約法の影響についてポイントを整理し、“狭く深く” 解説しているのでとても参考になります。また、改正労働契約法18条の“5年無期転換ルール”について、諸外国の状況にもふれています。日本では5年を超えて労働契約を反復更新すると従業員に無期転換権が発生しますが、ドイツは2年、オランダは3年、イギリスは4年、韓国は2年だそうです。

 昨今、ジョブ型正社員も話題となっており、“期間の定めのある従業員”と“いわゆる正社員”との位置関係を明確にする必要性に迫られています。これからの雇用区分を考えていくには、気になる1冊といえるでしょう

著    者:荒木尚志 編著

出 版 社:有斐閣

発 売 日:2014年6月

カテゴリー:学術書(労働法)