基幹統計は55個

Q.人事の仕事に関係する統計には、どのようなものがありますか?

A.様々なものがありますが、まずは基幹統計を確認するとよいでしょう。

 統計には、国、地方公共団体、民間等様々な実施機関がありますが、数ある統計の中でも頂点に君臨するのが「基幹統計」といってよいでしょう。わが国の基幹統計は、55個存在します(2014年4月現在)。国勢統計をはじめとする基幹統計は、行政機関の実施する最も重要な統計と位置付けられるものです。「統計法13条」を実施の根拠とし、統計の報告を求められた者は法律上の義務を負います。なお、統計の報告を拒んだ場合には、50万円以下の罰金に処せられることが定められていますので注意が必要です。民間の統計と比べて回収率が高くなるのは当然といえそうです。

 基幹統計の中で人事に直接関係しそうなものは、次のようなものが挙げられるでしょう。厚生労働省の「賃金構造基本統計」や「毎月勤労統計」、国税庁の「民間給与実態統計」、総務省の「労働力統計」や「就業構造基本統計」、文部科学省の「学校基本調査」などです。この中では、「賃金構造基本統計」と「毎月勤労統計」に対する馴染みが深いかもしれません。もし、賃金水準を調べるためにどちらを選択するか迷ったときは、まずは「賃金構造基本統計」から調べることをお勧めします。「賃金構造基本統計」は、労働者個人の賃金を調べていますが、「毎月勤労統計」は、事業所の労働者の“支払総額”を調べていますので、細かいことが分からないからです。

 このように、統計には特色がありますので参考にする場合には、用途に適したものを選択する必要があります。ほとんどの統計には“利用上の注意”などの説明がありますので、丁寧に読むことで安心して使用することができます