届け出が必要な就業規則の範囲
A.「相対的必要記載事項」に該当し、届け出る就業規則に含まれます。
就業規則には「絶対的必要記載事項」と「相対的必要記載事項」があります。労働時間や賃金など必ず定めなければならない項目と退職金や賞与などルールがあるのなら記載しなければならない項目があるわけです。労働基準法第89条第10号は、「絶対的必要記載事項」のほか「当該事業場の労働者のすべてに適用される定めをする場合」について、就業規則を作成し届け出ることを求めています。これがいわゆる「相対的必要記載事項」のことです。旅費規程は、労働者のすべてに適用される日当の金額や交通費の支給基準を定めているのが通常でしょうから、「相対的必要記載事項」に該当することになります。
厚生労働省は、「旅費に関する事項は、就業規則の強制的記載事項ではないから、就業規則中に旅費に関する定めをしなくても差支えないが、旅費に関する一般的規定をつくる場合には労働基準法第八十九条第十号により就業規則の中に規定しなければならない」とする通達(昭25.1.20基収3751号、平11.3.31基発168号)を発しています。
就業規則に限らず会社には様々な規程が存在するでしょう。また、会社の発展に伴い就業規則から独立した別規程が増えていくことは一般的なことだと思います。複雑化していく規程の体系の中で、どこまでが就業規則の範囲に含まれるか疑問に思うことがあります。必要記載事項であるか否かを判断した上で、就業規則の最後に附則として附属規程の一覧を記載しておくと迷うことがなくなるかもしれません。