業績評価で重要なこと
A.業績評価は、運用が大切だといえるでしょう。
業績評価に限らず、評価制度が重要なことに異論をはさむ人は少ないと思います。しかし、自社の評価に何らかの問題があると考える人事担当者は多いかもしれません。また、評価制度は制度設計とその後の運用に分けることができると思いますが、運用に関する課題をよく耳にします。
「就労条件総合調査(2010年)」では、この“運用の難しさ”について把握することができます。まず、評価側の主な課題として「部門間の評価基準の調整が難しい」や「評価者の研修・教育が十分にできない」などが挙げられています。次に、制度の主な問題点として「評価によって勤労意欲の低下を招く」や「評価結果に対する本人の納得が得られない」などが挙げられています。これらの課題や問題点への対処法としては、「業績評価制度に基づく評価結果を本人に通知している」が最も多くなっており、いわゆる“評価のフィードバック”の重要性が認識されているようです。
これは、業績を計ることの難しさを物語っているのだと思います。とはいっても業績を無視するわけにもいきません。業績を重要な指標としながらも、部下を納得させるための上司の総合的な評価が求められているのではないでしょうか。緻密な制度設計にこだわるよりもバランス感覚をもった上司を育成すること、増やすことが業績評価制度のカギといえるかもしれません。