「元労働基準監督官」がつくる就業規則・諸規程用例集

 監督官が、どのように就業規則を見ているかがわかります。

 就業規則は会社の数だけ存在すると言ってもよいでしょう。厚生労働省の雛形などモデル就業規則はたくさん存在しますが、自社の就業規則は世の中に一つしかありません。一言一句、雛形通りに作成されていることはないものです。労働基準監督官の臨検(立入調査)があれば、自社の就業規則をチェックされることになります。その時、人事担当者は不備を指摘されたらどうしようと心配になるものです。

 就業規則に関する書籍は、山のように出版されています。どれも参考になるとは思いますが、この書籍は、元労働基準監督官たちが執筆したものなのでやや色彩が異なります。いたるところに臨検のエピソードや経験談が盛り込まれており興味深い内容になっています。それらを通して、監督官がどのように就業規則を見ているかが伝わってきます。

 この書籍は、労働基準監督官だったらここに注意して就業規則を作成するというマニュアル本です。監督官の豆知識 もたくさん出てきます。熟練の人事担当者からしても、復習や再発見につながる記述も多数あるでしょう。書籍のサイズが大きくてやや重いので、電車の中で読むのは大変かもしれませんが、臨検に備える1冊としてお薦めしたいと思います。 

著    者:玉泉孝次 ほか著

出 版 社:労働調査会

発 売 日:2022年6月

カテゴリー:実務書(労働法)