「同一労働同一賃金」はやわかり

 新書なので、手軽に理解できます。

 小さな本ですが、内容は“てんこ盛り”です。この1冊で、同一労働同一賃金が求められる背景から対応策まで幅広く学習することができます。著者は、元労働基準監督官である社会保険労務士として、どのように同一労働同一賃金を実現するかについて実務的に解説してくれます。

 例えば、第4章「今そこにある危機」では、パート・有期社員の仕事を洗い出し「見える化」することで、同一労働か否か、どの程度仕事が異なるかについて分析する手法が紹介されています。また、会社はパート・有期社員に対して様々な説明義務を負いますが、均等・均衡待遇について説明を求められた場合のQ&Aが載っています。実務家にとっては、どちらも大変参考になるでしょう。

 同一労働同一賃金は、これから混乱するはずです。法律に詳細な規定はなく、かつ罰則もありません。それを補うためにガイドラインがありますが、法律ではないのでもちろん法的強制力はありません。行政指導が徹底される予定ですが、労働基準監督署の管轄ではなく都道府県労働局の職員により担当されるので、臨検のような効果は期待できないでしょう。結局は、労使が話しあって落ち着き所を探さなくてはならないのです。そのような五里霧中の人事担当者に灯台の役目を果たしてくれる本かもしれません。もちろん、この1冊で全てが解決できるわけではありませんが、同一労働同一賃金の手始めとして読んでいただくとよいでしょう

 

 

著    者:北岡 大介

出 版 社:日本経済新聞出版社

発 売 日:2018年7月

カテゴリー:新書(労働法)

 

 

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