家族手当の見直しは必要でしょうか

 
「こども手当」化の動きがあります
 

 諸手当の支給は、会社の考え方次第だと思います。ただし、支給する場合には主旨や目的を明確にする必要があるでしょう。特に注意したいのは、同一労働同一賃金の視点です。例えば、家族手当について正社員だけを対象として契約社員には支給しない場合です。支給しない理由に合理性がなければ、2020年4月施行の「パート・有期労働法」で問題になるケースが出てきます。正社員と契約社員の間で、均等・均衡処遇になっているか否かを問われます。

 一方、家族手当を「こども手当」に改変する会社が登場しています。この背景には、女性活躍推進の考え方があるといってよいでしょう。2016年4月、厚生労働省は「女性の活躍促進に向けた配偶者手当の在り方に関する検討会報告書」を公表しました。会社が、扶養を要件として家族手当(配偶者部分)を支給することは、配偶者の「就業調整」の要因となり、結果として女性の能力発揮を妨げているという考え方です。この報告書では、家族手当(配偶者部分)の見直しを提言しています。ただし、いきなり廃止してしまっては、単なる不利益変更になってしまいますので、賃金原資総額の維持や経過措置などが必要だと述べられています。

 家族手当(配偶者部分)を廃止し、その分を「こども手当」とすることで、賃金原資総額の維持をしながら結果として女性の活躍を推進することにつながるでしょう。もちろん個別従業員の損得は発生しますので、必要な経過措置や労使交渉などは重要です。また、同一労働同一賃金の視点から、改めて契約社員等を支給対象とする場合には、「こども手当」に改変してから適用することで、極端な人件費アップを抑えることが可能かもしれません。このような視点から家族手当の見直しの議論が活発になっているのだと考えられます。


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