【改訂版】企業労働法実務入門 〜はじめての人事労務担当者からエキスパートへ

 特徴は、特にありません。でも、読みやすいのです。

 どこにでもあるふつうの入門書です。基本に忠実になると似通ったものになるのかもしれませんね。この書籍では、平易な文章とたくさんの図表が用いられ、わかりやすくするための工夫が凝らされています。また、「一歩前へ」や「コラム」などのコーナーが随所に設けられ、読者に気を使っていることがわかります。ですが、これだけではありふれた手法なのでたいしたことはないでしょう。この書籍が読みやすいのは、たぶん「罫線」と「枠囲み」が巧みに用いられているからだと思います。簡潔で平易な文章が効果的に存在するおかげで、ポイントを重点的に理解することができ、読者に安心感を与えてくれます。このような該当箇所が結構多いのです。文字だけを追っていると疲れてきますが、この的確な「枠囲み」が随所にあるおかげで飽きないのです。読書を苦手とする新人に向いているかもしれません。

 ここがよいと特徴をアピールできないのがとても残念なのですが、人事や労働法の初心者にはきっとフィットします。表紙には“若葉マーク”もついています。だまされたと思って読んでみませんか? 初心者むけと言いながら、いやいやどうして充実した内容で侮れません。オールマイティな参考書として重宝するでしょう

著    者:倉重 公太朗 など

出 版 社:日本リーダーズ協会

発 売 日:2019年10月

カテゴリー:実務書(労働法)