実践!! 業務委託契約書審査の実務

 雇用契約と業務委託契約の違いで悩むことはありませんか?

 人事担当者にとって業務委託契約は管轄外だろうと思いきや、業務委託契約書というタイトルの雇用契約があり得ます。業務委託契約であれば、仕事をする場所や遂行の方法について指揮命令されることはありません。しかし、実際には会社の指揮命令に服した形で労務を提供する、いわば「名ばかり業務委託」が存在します。法律では、明確に区分できる前提なのでしょうが、実際には広大なグレーゾーンが存在するような気もします。

 労働法は、実態に基づいて判断されますので、業務委託契約だと思っていたものが、ある日突然、雇用契約と判断されれば様々な労働法の保護が及ぶことになります。それを追いかけるのはとても大変なことです。そのリスクを避けるため、個人との業務委託契約を避ける会社も多いことでしょう。そのため、本来は人事マターではないものの、業務委託契約については初歩的な理解が必要となります。

 この書籍は、読者として法務審査担当者を想定しているようですが、比較的わかりやすく解説されていますので、人事担当者が勉強するにも有益です。人事担当者にとっては、専門科目ではなく一般教養科目のような位置づけになるかもしれません。この書籍を通して基本的な知見を得ておくのも有意義だろうと思い

著    者:出澤総合法律事務所 編

出 版 社:学陽書房

発 売 日:2019年7月

カテゴリー:実務書(民法・契約書)