「同一労働同一賃金」のすべて 第3版
2026年10月1日、同一労働同一賃金の新ガイドラインがスタートします。
この書籍は、第1版が224ページ、第2版が318ページ、第3版が388ページと成長してきました。第2版と第3版の相違点をチェックしたところ、一語一句同じ部分がたくさんありました。異なるのは第2版が発行された以降の裁判と新ガイドラインについて付け足された部分です。そのため第2版を既に読んだ人であれば、スラスラと読めるでしょう。
書き加えられた中で、次の3点が特に気になります。これらについては、確認しておく必要があるでしょう。
第1に、「正社員人材確保論」だけをもって不合理性を否定できないこと(P115)。
第2に、勤務形態が同じフルタイムでありながら、正社員は月給制、有期雇用労働者は時給制(勤務時間数に応じて賃金が変動)とした場合には、不合理と判断される可能性があること(P126)。
第3に、東北映像事件(仙台高裁 令7・9・11)では、「無期雇用の非典型労働者と典型労働者との間の労働条件においても同ルールが公序として社会内に確立している」とされ損害賠償が認められたこと(P197)。本来、期間の定めのない契約(例えば、無期転換者)を結ぶ労働者に、パート有期雇用労働法は適用になりません。しかし、同一労働同一賃金のルールは社会に定着しているので、無期転換者等にもその趣旨に基づいて考えなければならない、と言っているわけです。
著者は、かつて働き方改革実現会議のメンバーとして、同一労働同一賃金に関する法改正を主導した人です。誰もが知る日本を代表する労働法学者といって良いでしょう。同一労働同一賃金について、著者の見解をチェックしておくことは、人事担当者として大切なことだと思います。