会社法入門 第三版

 ややこしくなってきました。

 人事担当者からすれば労働法ではないので距離感もありますが、取締役等に関する知識はどうしても必要なので会社法を無視することはできません。委員会等設置会社が出てきた頃(2002年)から、相次ぐ法改正で敷居が高くなったように感じます。

 取締役の任期も複雑です。取締役の任期は2年を原則としながら、非公開会社は定款で10年まで延長可、監査等委員会設置会社や指名委員会等設置会社では1年、監査等委員会設置会社の監査等委員である取締役の任期は2年で定款等でも短縮することはできないそうです。社外取締役という言葉が定着したと思ったら、独立社外取締役も存在します。用語に慣れるのも大変です。このような基本的(?)なことも解説してくれます。また、2015年に「コーポレートガバナンス・コード」が施行されたのは衝撃的だったそうです。上場会社でなければ、あまり関係のない部分かもしれませんが、概略程度は知っておいて損はないでしょう。

 著者は、会社法のベストセラーである「会社法 第26版」も刊行しています。みどり色の“あの本”と言えば、ご存じの方も多いことでしょう。初版は、2001年ですので毎年のように改定版が出されたわけです。480ページもありますので、読破するのはちょっと大変です。いきなりそこまでは・・・、という人のための入門書として本書を位置づけると良いかもしれません。

著    者:神田 秀樹

出 版 社:岩波書店

発 売 日:2023年4月

カテゴリー:新(会社法