新しい人事労務管理【第7版】

 新任人事担当者の育成にお薦めします。

 初版が刊行されたのは1999年5月、既に第7版となりました。出版事情の厳しい中、長期間にわたって支持されてきたといってよいでしょう。執筆は、佐藤博樹先生、藤村博之先生、八代充史先生という豪華メンバーです。若い時から企業内部に入り込み実態を調査し、実証的に研鑽を積み上げてきた強者揃いであり、雇用・労働の議論をここまで引っ張ってきた研究者です。ある意味では、企業の人事について人事担当者よりも深い見識を持っているといって過言ではありません。

 この書籍の読者には、大学生も想定されていますが、企業の人事担当者のことが十分に意識されています。経営と人事の位置関係や実務的な人事制度についてなど、人事部門の所管する業務が網羅されており、人事の業務分掌を作る際にも役立ちます。ですので、人事部門のマネージャーが部下の業務分担を見直す場合にも、大変参考になる書籍だと思います。可能であれば部下に1冊ずつ買い与え、レポートを提出させるような使い方ができると、新任人事担当者の能力開発に大いに役立ってくれると思います。

 「部下に読ませたいナンバーワン」という位置付けが、ピッタリくるこの一冊です。

著   者:佐藤 博樹、藤村 博之、八代 充史

出 版 社:有斐閣

発 売 日:2023年12月

カテゴリー:学術書と実務書の中間(人事労務管理)