労働法 判例50!
一言でいうと、馴染みやすい判例解説の教科書です。
労働判例を学ぶのであれば「労働判例百選」でしょう。コレがなければ話になりません。著名な労働法の研究者が勢揃いして、厳選された111の判例について解説してくれます。ただし、文字が小さい。余白は少ない。つまり、見にくいのです。労働法の初学者が学ぶにはハードルが高いかもしれません。そこで、というわけでもないでしょうが、判例を50に限定し読みやすさを追求したものとして登場したのが本書でしょう。労働判例百選と同じ有斐閣が出版しています。
この書籍は、労働判例百選と同様に3構成で編集されています。労働判例百選では、「事実の概要」→「判旨」→「解説」と進行しますが、ここでは「事案をみてみよう」→「判決文を読んでみよう」→「解説」という感じです。大学生を意識してか、少しでも平易で馴染みやすい表現を採用しようとする姿勢が伝わってきます。また、分野ごとに問題提起をした上で基本について解説・整理してから個別の判例解説に入るので、読み手の理解度を少しでも高めたいという姿勢も伝わってきます。
就業規則と労働基準法の関係性が理解できると、ぼちぼち判例にもチャレンジしたいと考えるものでしょう。この書籍は、初めて労働判例に挑みたいと考える人事担当者にピッタリだと思います。本屋さんで手にとり、パラパラ見ていただくと良いかもしれません。
(でも、もう少しだけ字が大きいと良いのですが、若者向きということでしょうか、有斐閣さん・・・。)
著 者:大木正俊、鈴木俊晴、植村 新、藤木貴史
出 版 社:有斐閣
発 売 日:2025年4月
カテゴリー:教科書(労働法)