あなたのキャリアと労働法
初心者向けに分かりやすく、やさしく書かれています。
著者は大学教授ですが、大学の授業だけでなく広く市民や会社員など「誰にとっても読みやすい本となること」を目指したそうです。例えば、労働契約法第7条には就業規則の効力について「合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合」という文章が出てきます。ここで「合理的」という言葉について、いちいち悩む読者は少ないでしょう。著者は、次のような解説を加えます。「「合理的」とは、ここでは「おかしくない」「変ではない」といった意味です」とされています。ここまで丁寧に解説してくれる参考書は少ないでしょう。
また、時系列のストーリーを伴って書籍の構成が考えられています。最初は、アルバイトに必要な労働法から始まり、「入社1年目に知っておきたい」、「後輩や部下ができたら」、「人事担当者になったら」などと目次が出世魚のように進化していきます。法律の構成よりも読者のキャリアという視点から興味を持って飽きないように配慮している姿勢が窺えます。
人事担当者が実務の参考書としてこの1冊で賄うような使い方はできませんが、法的知識を何も持たない初心者が最初に読む書籍としてはとても良いと思います。一方、キャリアを積んだ人事担当者が自身の理解を再確認するのに役立ちます。「分かりやすさの決定版」といっても過言ではないでしょう。
著 者:原 昌登
出 版 社:有斐閣
発 売 日:2025年12月
カテゴリー:教科書(労働法)
